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昨秋の関東大会の千葉英和戦では、右投手だが走者が二塁に行くと大きく足を上げて投げる相手投手のスキを突いて投手の三木敬太が三盗。捕手の悪送球も誘って得点を挙げた。
この他、二盗、三盗ともに共通するのがデータの活用。相手のカウント別の配球データから変化球の来るカウントを予測して走る。投手のクイックタイム、捕手の二塁送球タイム、投手のセットの長さはベンチ入りしている記録員がストップウオッチで計測。ベンチで情報を共有している。
そして、見逃せないのが健大高崎の走者の構えだ。通常は右足か左足のどちらかに体重をかけることが多いが、健大高崎では左右ともに50:50の重心にこだわっている。
「どうしても(走りたいという)心理がはたらくので雰囲気が出ちゃうんですよ。それをなくしたいのと、一歩目が早くなるようなスタートにこだわった結果、今のかたちになりました。太ももを半分に割ったとして、内側だけを意識する。太ももからつま先まで内側を意識します。姿勢は猫背にならず、背筋を伸ばす。股関節をはめて、スクワットに近いかたちで構えます」
構えだけではない。スタートの切り方にもこだわる。
「右ひざから抜いてスタートします。その際に頭の位置が上がらないように。その逆で頭が落ちないように。右足を引かないように注意します」
リードを大きく取り、けん制を投げさせ、データを活用したうえでスタートを切る。走者の構えからこだわり、いかに一歩目を早くするか。さらに、1年生時からスタートを切る勇気を育て、思い切りよく走る。これだけの条件が揃っているからこそ、足の速さに関係なく、どの選手でも盗塁ができるのだ。
![]() 健大盗塁のスタート。右ひざから抜く。 |
冷静に見ると、センバツは7盗塁した天理戦は捕手・山岸大起の二塁送球が2・38~2・50秒、鳴門の日下大輝が2・18~2・35秒。盗塁するのは難しくないレベルだった。
神村学園の中野大介だけは1・96~2・08秒だったが、左投手の平藪樹一郎のけん制パターンやスライダーがワンバウンドになることを突いて4盗塁を記録した。走れるときに稼ぎ、その数字のインパクトをうまく利用する。
走るイメージができた現在は、相手が勝手に警戒して墓穴を掘ることも珍しくない。まさに“イメージ戦略”だ。
もちろん、こだわりは盗塁だけではない。
昨夏の横浜戦では9回2死二塁で長坂拳弥がレフト前安打で本塁を突くがタッチアウト。カウント3-2でストライク・ゴーができる状況だったが、インパクトから本塁ベースまで6秒95かかった。10回裏、横浜にレフト前安打で二塁から生還されサヨナラ負け。この失敗を活かした。
「横浜戦の後、秋から冬にかけてストライク・ゴーはかなりやりました。去年のチームは足が速かった。今年は速くない。一、二番だけです。だから去年は盗塁、今年は走塁と言ってきました」
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